

三重大学医学部附属病院画像診断科
第18回日本心臓核医学会総会・学術大会を平成20年6月27日(金)と28日(土)の2日間、三重県津市のホテルグリーパーク津で開催させていただくこととなりました。本学会は今年度より年1回の開催となり、第17回の総会・学術大会は山崎純一大会長の素晴らしいご企画とご尽力により、非常に実りの多い学会となったことは記憶に新しいことであります。本学会におきましても、少しでも前回のレベルに近づけることができますように、私ども教室員一同張り切っておりますので、どうぞよろしくご指導・ご鞭撻の程お願い致します。
今学会のタイトルは、「もう一度見直しませんか、心臓核医学」としました。最近日本では、本学会の先生方の必死の努力にもかかわらず、心臓核医学の検査数は減少する傾向にあります。米国をはじめとする諸外国では増えているか、横ばい状態にあるのに、何故日本では減っているのでしょうか。その理由はいろいろあると思いますが、その一つに心臓MRIやCTの発達と普及に伴って、核医学検査よりもCTやMRIを優先する施設が増えていることが挙げられます。しかし、果たして本当に日常臨床における核医学の役割は縮小したのでしょうか。さらに入院包括医療制度(DPC)の導入により、検査料の高い核医学検査は敬遠されがちなことも検査数減少の一因と云われていますが、核医学検査は何故そんなに高いのでしょうか。今一度、心臓核医学検査そのものをじっくり見直し、現代の医療における心臓核医学の意義や役割を改めて考え直すことができるようなシンポジウムを予定しています。特に臨床的な有用性に関しましては、本学の心臓MRIグループの協力のもとに核医学とMRIを徹底的に比較検討し、MRIでは得られない核医学検査の特徴を再度一つ一つ検証したいと考えています。またDPC導入下の医療制度の下で、心臓核医学検査が減っている病院もある半面、逆に増えている病院もあります。どのような理由で心臓核医学検査が減ったり増えたりしているのか、じっくり検討してみたいと思います。
プログラムは従来通り、シンポジウムや一般演題、ポスターセッション、若手研究者奨励賞選考講演、学会賞受賞記念講演、ランチョンセミナーなどを行いますが、特に若い医師や放射線技師の方々を対象として、心臓核医学の基礎から臨床までを系統的に学ぶことのできる教育講演を企画しています。
津市は辺鄙なところにあり、遠来からお越しいただく先生方にはたいへんなご不便をお掛けしますことをお許し下さい。新幹線をご利用の場合には、名古屋で降り近鉄特急にお乗りいただければ50分で着きます。空路の場合には、中部国際空港より海上フェリーをご利用いただきますと40分で着きます。津は伊勢湾に面した緑の多い小さな城下町で、松阪牛や新鮮な魚貝類が美味しく、伊勢志摩や伊賀上野、熊野古道など古くからの景勝地も近くにあります。一人でも多くの先生方にご参加いただきますように、心よりお願い申し上げます。