私たち医療・医学関係者の間でも、インターネットや電子メールの利用は当然のこととなっています。最新の文献や医学研究の成果を入手したり、特定の領域のテーマについての議論や相談など、その利用内容はインターネットというしくみが考え出された当初では想像もつかないほどです。今後はさらにデジタルテレビ放送の開始や携帯電話などとの融合がすすみ、この流れはとどまるどころか、どんどん加速していくと思われます。
しかし、このようにインターネットや電子メールを身近な不可欠のツールとして利用すればするほど、いくつかのトラブルに遭遇することでしょう。これは、私たちの実生活や仕事の上で、様々なトラブルが毎日発生するのとよく似ており、インターネットというものの本質の一面を示していると思います。
インターネットは、世界的な規模でのコンピュータネットワークのネットワークというもので、当然のようにそのまま私たちの住む実社会を反映しており、インターネット社会と呼んでも差し支えないものです。つまり、世界各地の様々な言語を使っている人々が、その多様な目的のために、様々なコンピュータや基本ソフト(OS)、様々なソフトウエアを使って、このインターネット社会を構成し参加しているのです。この社会には、住民たちを拘束する厳密な規範というものは存在していません
インターネットでは、標準のコンピュータも標準のOSもソフトも存在しません。ということは、メールの受け手がどのようなコンピュータとOSでどのようなソフトを使っているかわからないことが多いということです。したがって、電子メールを送信するとき、最も大切に考えておくべきことは、相手がどんなコンピュータやソフトウエアを使っていてもきちんとこちらの送信内容が伝わるようにするということだと思います。
また、インターネット社会のインフラ設備・資源は限られており、そのため利用にあたって様々な事実上の制約といえるものも存在しています。
また、私たちの実生活と同様、互いの快適な利用を保証するために守るべき最低限のルールといったもの(ネチケット)もできあがりつつあり、一般的なコンピュータの利用知識とともに、身につけて参加していきたいものです。