教授挨拶三重大学大学院 脳神経外科学 教授からの挨拶です。

教授 鈴木秀謙 三重大学脳神経外科は、1977年1月1日に、医学部附属病院の院内診療科として開設されました。
1978年4月1日に医学部脳神経外科学講座が開設され、同年9月1日に和賀志郎先生が初代教授として就任され、現在の三重大学脳神経外科の礎を築かれました。翌1979年10月1日に脳神経外科は三重大学医学部附属病院の正式な診療科となりました。
1998年12月1日には、滝和郎先生が第2代教授として就任され、更に三重大学脳神経外科を発展させました。2005年4月1日に部局化に伴い、三重大学大学院医学系研究科神経感覚医学講座脳神経外科学分野と講座名が変更され、また、産学官連携講座として、先進的脳血管内治療学講座が新たに開設されました。2012年4月1日に大講座名が臨床医学系講座に再変更され、現在の正式名称は三重大学大学院医学系研究科臨床医学系講座脳神経外科学となっております。
2012年7月1日に私、鈴木秀謙が第3代教授として就任しました。

三重大学脳神経外科では、脳や脊髄の血管障害、腫瘍、外傷、奇形、機能的疾患などの疾患の予防、診断、手術を含む総合的治療を行っています。特に脊椎・脊髄疾患に対する外科治療や脳血管障害に対する血管内治療には全国でも逸早く取り組み、指導的な役割を果たしてきました。また、最先端医療を提供するだけではなく、地域完結型医療の中核としての機能を果たしています。安全かつ低侵襲な医療への社会的関心が高まるなど、医療を取り巻く社会的環境は変化していますが、地域医療、救急医療における脳神経外科の重要性は変わることはありません。各部門におけるエキスパートが揃い、その得意とするところを伸ばしながら良質な医療を提供しています。血管内治療、内視鏡治療、定位放射線治療といった低侵襲治療をさらに発展させると共に、引き続き、関連病院、関連各診療科・部署、救命救急センターなどと緊密に連携しながら、しっかりと脳神経外科診療を実践し、我々の治療方針や治療技術などが世界基準でどの程度か絶えず検証しながら発展させていきたいと考えています。また、三重県内全域の総合病院や大阪府、京都府、兵庫県の病院に訓練された脳神経外科医を派遣し、地域医療に貢献しています。

視野の広い懐の深い脳神経外科医を養成するため、基礎医学や他分野の研究者との交流や、国際交流を推進しています。研究面では、流行に捕われず、自分たちの興味を持ったテーマに関する研究を、常に世界レベルを意識しながら、諦めず継続して行うことをモットーとしており、主に脳卒中や癲癇の病態解明、様々な疾患に対する新規治療法の開発、新しい診断法や手術器具・デバイスの開発や改良などに取り組み、明日の医療に繋げる努力をしています。女性の脳神経外科医が加わる等、多彩な人材は今後の当教室の発展に不可欠だと考えています。医師としての使命感や倫理観を動機として研鑽を積み、実際の診療に際しては患者側の立場を尊重し、医療倫理を遵守して実践することにより、脳神経外科医として誇りと自信が持てると信じています。
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