網膜硝子体グループ
担当:松原 央
加齢黄斑変性(AMD)をはじめとする網膜疾患に対して、網膜硝子体領域の最新検査技術であるOCT(光干渉断層計)、蛍光眼底造影検査、OCTアンジオグラフィーといった画像技術により網膜の構造と機能を高精度に可視化し疾患の進行状態や治療効果の予測研究をしています。
また、電気生理学的検査を加えることで、網膜の解剖学的変化と機能的変化の関連を明らかにし、より深い疾患理解と治療戦略の最適化を目指しています。
抗血管内皮増殖因子(VEGF)治療や新薬の開発により、AMDのような進行性網膜疾患の治療法が急速に進展しており、発症後の治療だけでなく、予防や早期介入の重要性が強調されつつあります。私たちは、こうした検査・治療技術を活用し、網膜疾患における生物学的メカニズムの解明を目指しています。


また、基礎的研究としてモデル動物の網膜電図による網膜機能評価を行っています。特に小型魚類のゼブラフィッシュは、遺伝子操作による変性が容易に短期間で出来ることからヒト疾患モデルとして最近注目され始めています。しかし小型のため、視機能評価は他のモデル動物と比較して困難であり、特に網膜機能評価として重要な網膜電図は、マウス、ラットなどの陸棲生物とは異なる水棲生物特有の手法が必要となります。三重大学眼科では、それら眼疾患モデルの機能評価に必要なゼブラフィッシュの網膜電図記録に注目し、ゼブラフィッシュ網膜電図記録装置を製作し安定した記録を行っています。

