研究室紹介

角膜領域

担当:加藤 久美子

周術期のドライアイに関する研究

白内障や硝子体手術後におけるドライアイは、術後の視機能回復や患者の生活の質に大きな影響を与えます。これまでの研究で、レバミピド点眼液が術後の結膜杯細胞の回復に寄与し、ドライアイ症状を軽減することを示しました。
今後は、さらに多様な抗炎症薬や保湿剤を組み合わせた治療法の有効性を検討し、術後ドライアイの予防と管理に関する標準的な治療方針を確立することを目指します。また、術後ドライアイ発症のリスクファクターを解明し、個別化治療を試みます。

眼球のバイオメトリックスと近視に関する研究

近年、近視の進行が公衆衛生上の問題となっており、特に若年層での進行抑制が求められています。これまでの研究で、眼軸長や前房深度、角膜曲率半径が近視と強い関連性を持つことが示されました。今後は、これらのバイオメトリックス指標を基に、近視進行の予測モデルを構築し、早期介入の可能性を探ります。
特に、遺伝的要因や環境的要因を組み合わせた多因子解析を行い、近視進行のリスク要因を特定することで、より効果的な予防策を提案する予定です。また、新しい技術を用いた非侵襲的なバイオメトリックス測定法の開発も進め、臨床現場での応用を目指します。