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脊椎外来

 私たちは、外傷、変性疾患、脊柱変形、および脊椎・脊髄腫瘍に対し、安全な治療と脊椎外科治療のさらなる発展を目指して、診療と研究を行っています。

脊椎外傷

 高度救命救急センターおよび総合集中治療センターと連携し、脊椎の脱臼骨折や脊髄麻痺の症例に対して、可及的早期に緊急手術を行っています。再生医療等製品「ヒト(自己)骨髄由来間葉系幹細胞」を用いた脊髄損傷治療は、2025年夏頃より開始予定です。

頚椎疾患

 頚椎疾患に対しては、症例に応じて前方および後方手術を実施しています。頚椎症性脊髄症に対しては、後方からの椎弓形成術(棘突起縦割式)を行っています。単椎間の頚椎椎間板ヘルニアに対しては、前方除圧固定術(椎間ケージ使用)や頚椎人工椎間板置換術を行っています。

腰椎疾患

 患者様の身体への負担を最小限に抑えるため、低侵襲手術を実施しています。腰痛、下肢痛、しびれ感を伴う腰部脊柱管狭窄症には、拡大開窓術(棘突起縦割式)を行います。不安定性が認められる場合は、脊椎インプラントを用いた後方椎体間固定術を実施し、経皮的に脊椎スクリューを挿入して手術侵襲を軽減しています。

成人脊柱変形

 高齢者の変性後側弯(いわゆる「腰曲り」)は、体幹バランスの不均衡から歩行能力が低下し、日常生活動作に悪影響を与えることがあります。保存的治療で症状が改善しない場合、変形矯正手術が日常生活の改善に有効です。当科では、手術を2回に分けて行うことで、患者様の負担や合併症のリスクを軽減しています。前半では側方椎体間固定術(XLIF、OLIFなど)を実施し、後半では脊椎インプラントを使用して矯正固定を行い、十分な腰椎前弯(腰曲がりの改善)を得られるようにしています。

図1

側弯症

 特発性側弯症では、コブ角が45度以上の場合、カーブが進行することが知られており、手術の適応となります。当院では、CTナビゲーションシステムを用いて正確かつ安全に椎弓根スクリューを挿入し、脊髄モニタリング(経頭蓋刺激-筋誘発電位モニター:Br-MEP)を行い、神経麻痺を予防しています。2019年12月よりCoPlanar法を導入しており、この方法は凸側の椎弓根スクリューを通じて椎体軸を同一平面に整列させ、3次元的な矯正を行う技術です。

図2

基礎研究

 椎間板変性は、腰痛を引き起こすだけでなく、椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などの腰椎疾患の原因となります。当科では、椎間板変性の進行メカニズムを分子生物学的手法を用いて研究しています。また、椎間板再生治療のための基礎研究および臨床試験も行っています。

〒514-8507
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三重大学 三重大学大学院 医学系研究科