1つの文章が1つの段落だけであることは特別で、一般にはおかしい。というのは、論理性のある文章というものは、論理を展開するために、それぞれ役割を持ったいくつかの部分で構成されてなければならないからである。少なくとも、最後には、別の段落として、まとめの部分が必要であろう。
文章の各部分の1つ1つのまとまりをパラグラフと言う。これは、日本語の「段落」に相当するが、日本語では段落という言葉は「改行」と同じ意味にも使われるので、ここでは混同をさけるために、パラグラフという言葉を使うことにする。
パラグラフを作る要領をおぽえておくと、レポートを書くときも討論をするときもたいへん有用である。パラグラフは、文字を下げて(インデント)書き出し、眺めたときに始まりをわかりやすくする。
大事なことは、主題はパラグラフで展開されている中心的な考えのことで、そのパラグラフに含まれているすべての情報の要約とも言える。したがって、主題に要約できないような考えがパラクラフに入っていることはできない。主題はパラグラフの中で完全に展開され、説明されていなけれぱならない。読者がパラグラフを読んで、疑問を持つようではいけないのである。
1つのパラグラフの中では、主に1つの対象について述べ、別の対象が話題となれば、パラグラフを変えるべきである。終わりのパラグラフは、「まとめ、結語」として構成することが必須である。つまり、文章というのは、複数のパラグラフの構成体と言え、文章全体の論理構成は、バラグラフの配列で構成されていることとなる。