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知っておきたい予防法

心血管・腎臓病を引き起こす様々な要因

心血管・腎臓病には、心筋梗塞、脳卒中、慢性腎臓病などの病気が含まれますが、これらの大部分は生活習慣病により引き起こされます。
生活習慣病は、「食習慣・運動習慣・休養・喫煙・飲酒などの生活習慣が、その発生・進行に関わる病気」と定義され、高血圧症、糖尿病、脂質異常症が代表的な病気です。

心血管・腎臓病を予防するためには、生活習慣病の管理がとても重要です。無症状であっても、きちんとした食生活を心掛けているつもりでも、生活習慣病が発生していることがあります。
まずは、健診や人間ドックを利用して、生活習慣病が発生しているかを調べましょう。

もし、異常がみつかったら、必ず医療機関を受診して、適切な指導を受けましょう。
最も大切なことは、生活習慣の改善です。摂取カロリーや塩分の制限、また節酒、禁煙、適度な有酸素運動、減量が必要です。
医師や栄養士からこれらの指導を受けることができます。
ストレスをためないことや十分な睡眠時間を確保することも大切です。

生活習慣の改善に十分に取り組んでも、その効果が乏しいときには、お薬による治療を開始します。高血圧症、糖尿病、脂質異常症などの病気においては、多くの研究データをもとに学会がまとめた治療指針(ガイドライン)があり、それに基づいたお薬による治療が行われます。

また、あわせて生活習慣病による動脈硬化の進行や各臓器の合併症を調べておくことも大切です。
最近では、お体に全く負担のかからないABI検査や超音波検査(エコー)によって血管の硬さやつまり具合を調べることができ、腎臓の障害を尿中のタンパクを測定することで簡単に判定することもできます。心臓や脳の合併症に対しては、CTスキャンやMRIなどの画像診断で簡単に調べることができるようになっています。

生活習慣病やこれにより引き起こされる動脈硬化の早期発見・早期治療が、心血管・腎臓病の予防につながります。

文責:三重県立総合医療センター 診療部医長 澤井俊樹