三重県立医学専門学校の開設後、1947年に京都大学の妹尾左知丸先生が病理学講座を開設されました。妹尾先生は日本細胞生物学会の創始者の一人でした。
1955年に病理学が2講座制となり、京都大学の武田進先生が教授として着任し、30年間教室を主宰し、1986年より6年間、三重大学学長を務められました。
1985年より、矢谷隆一先生が教授となり、1998年より6年間、三重大学学長を務められました。この間、講座では、組織培養による細胞生物学的研究、DNA修復機構の研究および前立腺癌の分子病理・臨床病理学的研究をテーマとし、その結果として、武田進先生は1974年に「紫外線DNA損傷とその修復に関する細胞病理学的研究」、矢谷隆一先生は1997年に「ヒト前立腺癌の発生と進展-地理病理学的・分子病理学的アプローチ」と題して、日本病理学会総会にて宿題報告をされました。一方、医学教育においては、基礎教育の要として、講義や実習のみならず、症例報告や研究室研修を行い、また附属病院および県下の病院の病理診断および病理解剖に、病理学第一講座と共同して行ってきました。
1999年より、白石泰三先生が教授となり、本邦における前立腺癌のセントラルパソロジストとして、前立腺癌の診断のみならず臨床と連携して日本版ノモグラムの作成に大いに貢献されました。また、矢谷先生、白石先生の二代に渡り、県下の細胞診断に関わる制度の整備拡充を行いました。
2017年5月に渡邉が教授に就任しました。
1996年に設置された医学部附属病院病理部の拡充、テレパソロジー、精度管理、バイオバンクセンター設立など今日の臨床病理においても重要な課題に早くから積極的に取り組み、現在もその活動は継続しています。また、附属病院中央検査部と協力して、がんゲノム医療の体制作りに貢献しています。
腫瘍病理学講座では修復再生病理学講座、附属病院病理部とともに教育、病理解剖、病理診断を行っております。