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関節リウマチ外来

 関節リウマチはからだの多くの関節に炎症が起こり、関節がはれて痛む病気です。長期間にわたって進行すると関節の変形と機能障害が起こります。人口の0.4~0.5%、30歳以上の人口の1%にあたる人がこの病気にかかっています。患者は、男性より女性に約3倍多く認められます。
 原因はまだよくわかっていませんが、関節腔の内面を覆っている滑膜細胞の増殖が起こります。増殖した関節滑膜組織にリンパ球、マクロファージなどの白血球が遊走し、サイトカインと呼ばれる炎症物質が産生され、炎症反応がひきおこされ、軟骨・骨の破壊が進行します。病気が進行すると、関節の骨や軟骨が破壊されて関節の変形が起こり、関節を動かせる範囲が狭くなり、日常生活が過ごしにくくなってしまいます。
 関節リウマチの原因は不明なので、リウマチの原因をとりのぞく根治療法は今のところ期待できません。しかしながら、治療効果が高い薬剤が多く開発され、関節リウマチの予後は改善しつつあります。関節リウマチに使用される薬剤には、1.抗リウマチ薬、免疫抑制薬、2.非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、3.副腎皮質ステロイド薬、4.生物学的製剤があります。
 生物学的製剤とは化学的に合成したものではなく、生体が作る物質を薬剤と使用するものです。現在関節リウマチに使用される生物学的製剤としては、TNFという炎症物質を抑制することにより関節の炎症を抑える薬剤です。治療効果が高く、発症早期から使用することにより確立はまだ少ないですが、寛解という治癒状態にまですることが可能となってきました。

■ リウマチの治療の目標
  1. 関節の痛みを抑える
  2. リウマチ活動性や関節の炎症を抑える
  3. 寛解の状態に導き、関節の変形・機能障害を最小限に抑える
  4. 破壊された関節は動かせる範囲を保ち、働きを再建することに主眼をおく が目標となってきています。

関節リウマチ患者さんへ

 リウマチは関節だけでなく、全身が消耗する病気です。リウマチの活動性が高いときは、微熱があり、疲れやすくなります。そのため、全身と関節の安静が必要です。睡眠を十分にとるとともに、規則正しい生活をおくることが大切です。関節の腫れと痛みがつよいときには、関節の安静を保ち、その場合でも1日に1回は関節可動域を十分に動かすことが大切です。
 また、関節リウマチに使用される薬剤の多くは免疫を抑制する薬剤が多いため、日頃より手洗い、うがいを心がけ、感冒などを予防して頂く必要があります。
 このように関節リウマチの治療が成功するには患者様御本人と一緒に治療していくことが大切です。関節リウマチは今や不治の病ではありません。関節リウマチという病気を受け入れ、我々と一緒に治療していきましょう。

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