研究内容紹介

神経画像グループ

認知症及び神経難病の高磁場MRIによる診断法開発(伊井)

神経疾患の診断や治療効果の判定および病態解析において、神経画像の占める役割は急速に拡大しています。MRIに関しては、形態学的評価のみでなく、拡散テンソル画像やproton MR spectroscopy (MRS)などを用いた分子レベルでの病態解析法も進んできております。また、従来の1.5T (テスラ) MRIと比較して、空間分解能にすぐれ良好な画像が得られる高磁場の3T MRIでは、形態学的評価においても有利性が示されています。
本研究グループでは三重大学放射線医学講座と連携し、高磁場の3T MRIを用いて、主にアルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、パーキンソン病および関連疾患などの神経難病を中心に、新規診断マーカーの開発を行っています。また、上記疾患における病態解析や、治療効果のサロゲートマーカーとしての可能性を探っています。
その一つとして、アルツハイマー病に高率に合併する脳アミロイド血管症との関連が指摘されている皮質微小梗塞を、3T MR装置でdouble inversion recovery (DIR)撮影法を用いて描出できることを報告しました。(図)
さらに、病理像との比較検討や白質病変の定量解析などを進めています。

パーキンソン病の高磁場MRI診断(松浦)

3T MRIによる神経メラニン画像はパーキンソン病での異常が報告されている。またわれわれは、多系統委縮症での低下も報告しています。パーキンソン病の診断および経過などの関係について検討しています。