研究内容紹介

神経病理グループ(丹羽)

アルツハイマー病と血管性認知症の神経病理

アルツハイマー病と血管性の認知症はそれぞれ変性と虚血という異なる病因に基づいて生じますが、いずれも高頻度に認められる変化であり、共存する例も多く見られます。脳血管病変の存在がAD病変を加速する機序として、脳血管を介したアミロイドβ蛋白質の脳からの排出障害もその1つとして考えられています。
そこで私たちは、アルツハイマー病や血管性認知症の剖検脳の神経病理組織を観察し、適切な特殊染色や免疫染色を行い、アミロイドβなどが認知症発症に寄与する病態を研究します。
また,上記疾患の剖検スライス脳をex vivo MR撮像し、その後薄切・染色し、画像所見と神経病理所見を厳密に比較することで、微小病変における病態を研究しています。特にアルツハイマー病と脳細動脈硬化による認知症の両方で見られ、その病態に関与するCortical MicroInfarctions (CMIs)について、上記のためのex vivo MR撮像の条件についても研究しています。(図)