糖尿病・内分泌内科

科長メッセージ

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糖尿病の患者数は世界的に増加しており、日本でも糖尿病患者1000万人、予備軍1000万人が存在すると言われています。特に合併症である網膜症による失明、腎不全による透析、脳梗塞、心筋梗塞、足壊疽等によるQOLの低下や生命予後の悪化が問題となっています。近年、この分野では、病態の新しい知見と多くの治療薬の開発が進んでいます。

内分泌領域は、下垂体、甲状腺、副甲状腺、副腎などにおける疾患について、的確な診断と治療が必要です。中には複雑な病態を呈する場合もあり、十分な経験を有する専門医による適切な対応が求められます。

両疾患の診断、治療においては、検査の解釈が重要ですが、最も大切なことは、患者さんの話を十分聞き、全身や背景に目を配ることにあります。様々な原因による疾患について、的確な診断と治療が必要で、Common diseaseから難病にあたる疾患に対応することになります。このような経験により広い範囲の知識が身につくとともに、複雑な病態に対する洞察力も備わるものと思います。

大学病院では、糖尿病、内分泌疾患の両方の領域の十分な研修を行える体制になっています。更に、臨床もしくは、基礎の研究を経験することにより、病態への理解が深まり、診断、治療に対する新たな見識を得られ、より的確な診療が可能となります。その他、当科の特徴として多くの若手の先生と一緒に、明るい雰囲気の中で切磋琢磨しながら仕事ができることがあげられます。関連病院でも充実した研修が受けられる体制になっています。

三重県における糖尿病専門医・内分泌専門医はいずれも不足している状態です。このような状況を打破するには、若い力が必要です。当科は、専門医をめざしながら、研究にも触れつつ、各疾患に関する理解を深め、診療と研究に没頭できる環境にあります。皆さんと、糖尿病・内分泌領域の未来のニューノーマルを考え創っていけることを楽しみにしています。

三重大学医学部附属病院 糖尿病・内分泌内科 科長 矢野 裕