婦人科グループ

子宮体がん

子宮体がんが疑われた場合、基本的な治療方法は手術療法となります。手術でとれた組織の顔つきにより臨床進行期が決定します。子宮体がんの標準術式は子宮全摘・両側付属器切除・骨盤リンパ節郭清・傍大動脈リンパ節郭清術ですが、近年、若年者の子宮体癌が増加してきており、中には子宮の温存を希望されたケースもいくつか経験しています。

昨今の腹腔鏡下手術の進歩発展は著しく、ほとんどの婦人科良性疾患が腹腔鏡下手術の適応となります。 悪性疾患に関しましては、この度2014年4月に『腹腔鏡下子宮体がん根治術』が健康保険適応となりました。子宮体癌1A期(類内膜腺癌G1/G2)の方は、従来通りの腹腔鏡下手術が施行できますが、2016年7月26日より子宮体癌1B-2期までの早期癌に対して、腹腔鏡下子宮体癌根治術(準広汎子宮全摘・両側付属器切除・骨盤リンパ節郭清・傍大動脈リンパ節廓清)を施行する選択肢もあります。当院の医療の質倫理検討委員会の承認を得て臨床研究を行っています。従来、早期子宮体癌だけが適応であった腹腔鏡下手術が、子宮体癌ⅠA(G3・漿液性癌、明細胞癌、癌肉腫など)/ⅠB/Ⅱ期の方に対しても腹腔鏡下手術(傍大動脈リンパ節郭清術)が可能となりました。(高度先進医療A承認・10月11日付) ご希望の方は担当医にご相談ください。

子宮の温存を希望される場合、初期の子宮体癌で子宮の筋層内への浸潤や他の臓器への転移が認められないときには、高用量黄体ホルモン療法により妊孕能を温存できる可能性があります。当院でも、この治療法を用いて妊娠に至った症例を経験しています。手術でとれた組織を検討し術後の追加治療が必要と考えられた場合には当院では、リンパ浮腫の発生頻度が高い放射線療法ではなく、薬剤による化学療法を主に行っています。当院で行っている化学療法はパクリタキセルとカルボプラチンの2剤を併用する方法を標準としています。その他にも細胞の顔つきに合わせ、放射線療法やJGOG, KCOG等の臨床研究による治療法を選択することもあります。

○当院での子宮体がん5年生存率(1998年以降)

当院での子宮体がん5年生存率

当院で実施している臨床研究

  • 子宮体癌、卵巣癌患者症例におけるHER2過剰発現の免疫組織学的検討(共同研究 KCOG)
  • 本邦における悪性腫瘍合併妊娠の調査
  • 婦人科がん患者における神経障害性疼痛の発現状況とオキシコドン塩酸塩水和物徐放錠の有効性・安全性に関する研究(共同研究)
  • 進行・再発子宮体癌に対するDose dense paclitaxel+carboplatin併用療法の臨床第II相試験(共同研究 KCOG)
  • 子宮平滑筋肉腫の診療実態に関する調査研究(共同研究 JGOG)
  • 子宮体がんに対する腹腔鏡下子宮体がん根治術・傍大動脈リンパ節郭清術
  • 子宮癌肉腫に対するdose-dense TC療法とtri-weekly TC療法による術後補助化学療法、再発後化学療法を比較するランダム化第Ⅱ/Ⅲ相比較試験(共同研究 JGOG)

お問い合わせ先:三重大学医学部産科婦人科学教室 臨床試験担当 大森(TEL.059-232-1111(代表))

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